電子機器には必ずと言っていいほど、
実装基板が内蔵されています。
ここでは実装基板に求められる要件とはどんなことで
それを検査する装置に課せられた使命とは
何かを解き明かしていきます。
第1回 いてくれなくては
困るもの第2回 実装基板って何?
第3回どのように実装基板を
作る?第4回なぜ不良がでるの?
第5回検査装置は偉大だ!
第6回近江商人の知恵を
今に生かす第7回強みはソリューション
第1回 いてくれなくては困るもの
みなさん。こんにちは。基板検査大学の野口です。
今日は、「いてくれなくては困るもの、いてくれなくては困る人」についてみなさんといっしょに考えていこうと思います。さて、あなたにとって、いてくれなくては困るものってどんなものでしょう。スマートフォン? ゲーム? テレビ? お母さん、愛犬?
ところで、みなさんは忍者って知っていますか?甲賀忍者とか伊賀忍者とか。ここ甲賀(こうか)市は、その甲賀忍者の甲賀なんです。そもそも忍者ってどんな仕事をしていた人なのでしょう?
今でいう傭兵です。甲賀忍者は信長、秀吉と手を組み信長と対立した伊賀忍者は徳川に組みしたと言われています。医療や火薬、監視活動に長けていた忍者は、それぞれに為政者から大変重宝されたというわけです。
また、ここ土山という場所はその後、東海道五十三次の49番目の宿場町として栄え、鈴鹿峠を往来する人々にとってはなくてはならない要所でした。この甲賀市・土山という土地は、歴史上大変重要な役割を果たしてきたところだと言えます。
第2回 実装基板って何?
みなさん、これ、何だかわかります?
実装基板と言います。緑色のボードに上に、たくさんの半導体が取り付けられています。どこに入っているかというと、スマートフォンやパソコン、テレビ、エアコン、クルマ、至る所で使われています。
さて、これが正常に動作しなければどうなるでしょう?そうです、機械が全く動かなくなります。我々の身体で例えれば、脳に相当するもので重要なものです。
従ってメーカーさんは、完全に動作する製品を市場に供給するために、厳密に全品検査してから出荷しています。実装基板、わかりましたか?
第3回 どのように実装基板を作る?
一言で言うとハンダ付けです。でも手で起こっているわけではありません。高性能な機械が自動的に行います。
第4回 なぜ不良がでるの?
いい質問ですね!高性能な機械で自動につくるのに、なんで不良品が出てしまうのでしょうか。不思議ですね。
でも答えは簡単です。
スマートフォンをイメージしてみてください。短い期間でどんどん高機能になりながら大きさが大きくなっていないからです。
実装基板でどんな変化がおきているのかというとモデルチェンジのたびに、基板に載せるICを含め多くの電子部品が小さく又高密度になる事によって、「薄く・軽く」を保っているのです。
このことがハンダ付けを難しくし、不良の原因となっています。
第5回 検査装置は偉大だ!
ここまで来れば、勘のいい人は気がついたでしょうか。
私が申し上げたいのは、実装基板の検査装置というものは、今も、これからも、「いてくれなくては困るもの」だということです。
さらに申し上げれば、ここ自然豊かな甲賀忍者のゆかりの地、そして交通要所の土山宿において子機器の要となる、実装基板の検査装置を、粛々と企画開発製造販売しているユニークな会社がニューリー・土山だということです。
ニューリー・土山を例えて言うならば、電子機器の活躍を影で支える、現代の甲賀忍者。あるいは小さな巨人。素晴らしいですね。
第6回 近江商人の知恵を今に生かす
話が脱線しますが、みなさんは「近江商人」とか「三方よし」と言う言葉をお聞きになったことはありますか?
実は滋賀県は、かつて近江国と呼ばれ、信長や秀吉の政策により商業活動が活発に行われていました。京都と江戸に繋がる交通要所でもありましたので、この地から、各地に商いに出る行商が生まれ、これを総じて近江商人と読んでいました。
近江商人は、買い手に喜んでもらうことはもちろん、地域や世の中のためになることを良しとしました。 天秤棒を担いで日本各地を行商した彼らにとって大事なことは私利私欲ではなく、永続的な関係、つまり信用であり、 そのためにはお客様を想い、地域に奉仕することで、私も慕われ、励まされ、再びお客様と世の中に貢献する。そんな好循環を理想としていました。
ニューリー・土山も、土着の優れた精神を受け継ぎ、お客様に何ができるかを考え、創意工夫する姿勢を重視しています。そしてその結果、様々なアイデアが製品化され、お客様の満足と信用を獲得するに至っています。
ニューリー・土山も、土着の優れた精神を受け継ぎ、お客様に何ができるかを考え、創意工夫する姿勢を重視しています。そしてその結果、様々なアイデアが製品化され、お客様の満足と信用を獲得するに至っています。
第7回 強みはソリューション
ニューリー・土山が「近江商人の三方よし」を具体的にどんな風に業務に活かしているのかを、営業担当に尋ねてみましょう。
みなさん、こんにちは。ニューリー・土山、営業技術部の技師、佐藤です。当社では、お客様の実装基板の生産効率をいかに高めるかと言う視点に立って、検査工程の高品質化、省力化、省人化を可能とする装置の開発に力を入れています。
実装基板は、原則一つとして同じものはありませんので、モデルチェンジごとに、基板と検査装置を繋ぐインターフェースを取り替える必要があります。そのインターフェースを「治具」と読んでおり、年々小型化して難しくなっていく電子部品・実装基板に対して、課題を解決しお客様に喜んでいただいております。
こうした取り組みは、お客様の困った!をいち早く汲み取る感性やその問題を解決するための創意工夫や創造力、さらにはその仕組みを形にまで仕上げることのできるものづくり力が必要とされます。
当社では、フロントエンドの企画開発業務と、設計・製造しお客様の生産ラインに設置するまでの業務を一貫してできる体制があり、技術者にとっても、頭デスクワークから実際の技能的業務、そしてお客様接点をトータルに携われるため、やりがいを得られる環境となっています。
作り手よし、使い手よし、世間よし。ニューリー・土山流の、「ニューリー三方よし」です。
はい、ありがとうございました。検査装置の使い手であるお客様も満足、それを作るニューリー・土山の社員も満足、そしてそれにより、ますます世間が便利で安定した品質の製品を手に入れることになります。今も近江商人の精神がしっかり受け継がれています。
どうやら、ニューリー・土山が、お客様にとって、「いてくれなくては困る人」であり、未来社会においても「いてくれなくては困るもの」であることがわかってまいりました。
いかがでした?今回は「いてくれなくては困るもの、いてくれなくては困る人」について考えてまいりました。実装基板、そしてそれを検査する装置、そしてその背景に甲賀忍者、近江商人など、この地の賢者の知恵や精神が生きていることがわかりましたね。
ご静聴ありがとうございました!